乱ぐい歯とは、歯の大きさと顎の大きさのアンバランスにより、歯と歯が部分的に重なってしまう状態のことで、よく耳にする「八重歯」も乱ぐい歯の一種です。日本では女性の八重歯をチャームポイントとして見る方もいますが、欧米では「ドラキュラの歯」として古くから忌み嫌われています。
乱ぐい歯があると、隅々まで歯ブラシがあたらないため、虫歯や歯周病などのトラブルを招くおそれがあります。また、人によっては唇の内側の肉を噛んでしまい、歯茎を傷付け炎症を起こしてしまうこともあります。
乱ぐい歯は、歯が生える順番と顎の大きさが影響しています。歯の大きさに対し顎のサイズが小さいと歯が並ぶ場所が狭くなり、後から生えてくる歯が歯列から外にはみ出し、結果として歯と歯が重なり合ったり、歯並びがデコボコになったりしてしまうのです。
乱ぐい歯の治療では、一般的に歯列矯正を行います。この際、症状によっては抜歯する場合や歯を削る場合があります。治療期間は症状などによって個人差がありますが、1年~2年半が目安です。
乱ぐい歯の状態によっては、奥歯を後方にずらして歯の移動スペースをつくったり、歯列全体を拡大させて移動させたりします。
症状が軽い場合は、歯の表面のエナメル質を削って歯を小さくします。削る量は1つの歯につき最小限なので痛みはありません。上顎だけの乱ぐい歯で部分矯正を行うときなどがこのケースにあたります。
歯が全体的にデコボコしていている場合は抜歯をします。歯と顎の大きさが調和していないと、不揃いな歯並びになりますが、抜歯をすることで歯が移動するためのスペースができるため歯が楽に動くようになります。