学会活動

インプラント学会でのトピックスと将来の展望


現在のインプラントシステムはほぼ完成されたといっても過言ではないでしょう。どこのインプラントメーカーもチタン製でスクリュータイプとなっていて、異なるのは骨と接触するチタン表面の構造が微妙に違うことが挙げられます。このチタン表面の違いにより骨との結合の時期が異なるわけです。I.T.IインプラントならS.L.A表面をアストラインプラントではTiOブラスト表面というようにインプラントの種類はこの表面性状の差位しかありません。この表面の差が骨との結合時期の差となります。骨と一番つきがよいのはハイドロキシアパタイトですがこれは骨や歯を作る成分で当然骨との結合時期は1〜2ヶ月ぐらいと最短となります。ただしアパタイト表面のインプラントははがれる可能性があるので結果がいい場合と悪い場合に二分されます。その次にI.T.IインプラントのSLA表面が1.5ヶ月となりそのほかのメーカーのインプラントが3ヶ月以上となります。

インプラントの学会で今討論されているのはこの従来からある骨との結合時期をさらに早めて患者さんの治療終了時期を早めようとする考え方です。よくあるのがインプラントを植立したその日に同時に歯の頭をつけていきなり咬めるようにするというやり方です。

この考え方を導入すれば確かにインプラントを早期から機能させることが可能で、患者さんにとっては画期的といえるでしょう。ただし当然リスクも存在するのです。本来インプラントは骨との結合期間を経てはじめて骨と完全に結合するわけですからインプラントは骨とはまだ結合していない時期から力を与えるのでインプラントが脱落するケースも出てきます。この方法を選択する場合患者さんが治療期間の短縮を強く希望されている場合でタバコや飲酒をしない方で全身的にも健康で骨の高さや厚みがあり長くて太いインプラントの植立ができる場合に限られるのです。またまだ、データが少なく完成された技術ではありません。

私個人の考えですがいずれインプラント治療は世の中から消えていくことになると考えています。インプラントは所詮人工物ですが後数年も(10年以上はかかる?)すればバイオテクノロジーの発展により歯の移植あるいは歯がない歯茎から歯が生えてくるといった技術も開発されるのではないかと考えています。当然人工物より自分の歯の方がいいわけですから・・・・。しかし、その歯がまっすぐに生えるか?その歯が以前存在した歯と全く同じ大きさで同じ形、同じ色調のものができるかというと可能性は大変低いということになります。今の歯科ではしっかりした厚みと高さの骨があれば太くて長いインプラントが入れることが可能で天然の歯より丈夫だということがいえるかと思います。また、歯の大きさ、形、色調もセラミック製のものであればほぼ問題のないものができます。歯自体を再生させるのは大変なことですが骨や歯茎などの単独組織は実用化の段階に入りつつあります。骨や歯茎が自由になればインプラントは更に知名度を上げ、より簡単に安全に患者さんに提供できると思います。

 

2004.1.10