星野歯科駒沢クリニック

HOSHINO DENTAL KOMAZAWA CLINIC

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歯根破折

15.10.11

歯を失う理由に虫歯(う蝕)、歯周病、そして今回お話する歯根破折があります。

昨日はいつも通院していただいているメインテナンスを10年以上されている患者さんの歯を抜歯しました。メインテナンスをしていると歯周病や虫歯で歯を抜くケースというのはほとんどなくなってきます。3カ月に1回の通院で歯周病は予防され、虫歯にならない方法をお伝えしてそのアドバイスを守って頂けるので歯の喪失は通常ではほとんどなくなっていきます。

しかし、以前にう蝕が歯髄まで達して抜髄処置をされた失活歯がいろいろな問題を起こしていきます。

その失活歯で最も多いのが歯の根の先にできる根尖病巣です。根の先端中央にできる場合は多くの場合は根管内の不良充填や根管の未発見によるものです。この場合は根の尖端部をカットして直接病巣を取り去る歯根端切除法もしくは歯冠方向からクラウンを除去して再度根管治療をすることでかなりの確率で治癒させることができます。

根尖病巣が根の側方部分にできているケースでは歯根破折が疑われます。このような場合は根尖部から完全に上部の歯冠近くまで破折線が到達している場合は抜歯となります。わずかなひびの場合はうまくMTAセメント(生体材料)で埋めることができれば保存の可能性が高くなります。

多くの歯科医院でこのような根尖病巣のある歯は放置されるか逆に保存不可能ということで抜歯になります。抜歯となればインプラントもしくはブリッジか義歯治療となってしまいます。

これらの処置の診断にはデンタルレントゲン以外にCT検査が必要になり、最終的には実際に根管内部をマイクロスコープでのぞいてヒビの存在を確認して染色液で染め出して保存できるか診断することになります。

ここまでがメインテナンス時に起こる歯根破折の説明となりますが、歯根破折の多くが失活歯であることから失活歯を作らないことが重要です。失活歯はいずれおこるであろう歯根破折=抜歯予備軍なのでいきつくところは虫歯を進行させない、虫歯が発生しない口腔内環境をつくることにつきます。そのためには歯が生え始める前からの幼少期からの虫歯予防が大変重要であります。

私が数年前に予防歯科を中心としたクリニックにしていくことを決断した理由の一つはメインテナンスをしていてもすでに抜髄処置された失活歯はなかなか守ることができないということもあります。

星野歯科では歯に虫歯や歯周病をつくらないことで体全体の健康を向上させて一生涯を通して自分の歯で食べることのできる治療と予防法を提案していきます。

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