メタルフリー治療

メタルフリーと金属アレルギー

ここ最近、金属アレルギーの患者さんをよく目にするようになった。以前はそれほど相談されたことは無かったが、手や足に原因不明の湿疹や水泡が出て荒れてしまう症状が出たり口の中の歯茎が荒れたりする場合で他の原因が無い場合は金属アレルギーが疑われる。

歯科で使用される金属にはインプラントではチタン、被せ物では金、白金、銀、パラジウム、アマルガム、コバルト、ニッケル、セラミック、レジン樹脂などがある。

セラミック=チタン>金、白金>パラジウム>コバルトクロムニッケル>アマルガム(水銀の合金)
の順に生体親和性が低くなる(不安定)
※レジン樹脂はほとんどの方は問題ない

私のクリニックでは自費の患者さんにはインプラントはチタン、セラミック、白金、金合金、レジン樹脂を中心に使用している。しかし、世の中には非常に敏感な方が存在しごく稀にチタンや金、白金でもアレルギー症状が出ることがある。

金属を身につけただけで、腕が真っ赤になったりする人が時々います。それが金属アレルギーです。
金属アレルギーとは身につける金属製品が、汗や体液で僅かに溶け、それがイオン化して体内に入り込みます。その入り込んだものと、新たに身につけた金属が接触し、拒絶反応を起こすのが金属アレルギーなのです。
ピアスなどで金属アレルギーになるのが多いのは、ピアスは皮膚を貫いて直接皮下組織に接するために拒絶反応が起きやすいようです。
指輪などはピアスと違い、皮膚の上ですから起きづらいのです。金属アレルギーと聞くと、普通はアクセサリーが原因に思いがちです。
しかし、アレルギーの人の43%は歯のつめものやかぶせものが原因なのです。アクセサリーを身につけていないからと言って、安心は出来ないのです。

金属アレルギーでは腕が赤くなったり、炎症を起したり様々な症状が起こります。
この様な全身に症状が出るのを全身性接触皮膚炎、または蕁麻疹(じんましん)と言います。全身だけではなく、口の中に症状が現れる場合もあります。
これを接触皮膚(粘膜)炎、または扁平苔癬(へんぺいたいせん)と呼びます。
それぞれの症状について、次から説明していきます。

全身に現れる現象

●全身性接触皮膚炎
金属に触れた場所ではなく、他の離れた場所に症状が現れるもの。これは血液を介して違う部位で起こったのです。手のひらや足の裏に、水ぶくれがたくさん出来て赤くただれる。

●蕁麻疹
赤い斑点が消えたり現れたりする、短時間の間のみの様です。
口内に現れる現象

●接触皮膚(粘膜)炎
金属と直接触れた場所に現れる炎症。舌やクチビルがただれたり、痛みやかゆみを伴うもの。
現れる症状と部位によって口内びらんなど、いくつか分類される。

●扁平苔癬
平らよりも、やや盛り上がった癬状の赤い斑点や粘膜が舌に出来る現象。白い斑点やかぶれ、出血なども見られます。

金属アレルギー簡単診断

当てはまる人は金属アレルギーかもしれません。自覚症状の無い場合があるので、一概に違うとは言い切れません。自信が無い場合は、皮膚科の先生にパッチテストで診断してもらいましょう。
診断には5000円〜10000円程度と割高ですが、一度診断してもらえばアクセサリーを選ぶ際にも困りません。

ニッケル 汗の中の塩素イオンがニッケルを溶かしやすく、金属の中では最もアレルギーを起こしやすい金属。50円玉、100円玉、500円玉にも使われています。ニッケルが原因で、触れたところだけでなく、血液中に入って運ばれることにより、汗の多い場所に湿疹を起こすこともあります。アクセサリーによく使われている金メッキ仕上げの下地の部分に使われていることが多く、金メッキが剥がれた場合にはニッケルが溶け出してしまうことがあるので注意が必要です。

金属アレルギーになりやすい順

コバルト ニッケルとよく似た性質を持つ金属です。ニッケルと同じような反応を起こします。
クロム 皮をなめす過程で六価クロムを使用していることがあるので、時計の革バンドやゴルフの皮手袋は、アレルギーを起こしてしまうことがあります。クロムもニッケルと同様に汗の多い部分や摩擦の多い部分に触れていると、湿疹を起こすことがあります。セメントにも含まれています。
亜鉛 歯の治療に使われていることが多い金属です。
マンガン  
 
銀&プラチナ 純度が高ければ、溶けにくいので、問題はあまりありません。ただし、他の金属との合金も多いので、その割合によっては、金属アレルギーの原因になることもあります。
溶けにくいので、金属アレルギーを起こしにくい金属。ネックレスや指輪のように皮膚に接触している程度ではアレルギーは起こりにくいですが、ピアスのように皮下組織に触れるものは、注意が必要です。
チタン 最も金属アレルギーになりにくい安定した金属です。

 

更に、アクセサリーの金メッキにも使用される場合が多いものなのです。触れる機会が多い為に、かかる人も少なくはないのです。
それ故に、女性のアレルギーの原因1位になっています。
同様に『クロム』は腕時計の皮に使われているので接する機会は多いはず。
ましてや、腕時計の皮は肌とかなり摩擦を起す可能性が高いのでアレルギー症状が出る可能性は高めなのです。

アレルギーを予防する方法

パッチテストで診断した事のある人は、そこでかぶれた金属を使用しなければ防げます。
ピアスを清潔な環境で使うのも大切です。そのまま付けっぱなし、と言う人もいるかもしれませんが、生傷の状態なのです。清潔さを保ちましょう。ピアスの素材選びも重要になります。
チタンが一番安全とされ、耳たぶの長さに合わせたものにしましょう。短すぎるものを使うと、耳たぶが常に圧迫されアレルギーの原因になりかねません。

万が一、かかってしまった場合

まずは速やかに使用を止めましょう。その時は大した事が無くても、後々はどうなるか分からないのですから。
専門家に相談し、アクセサリーの選び方などアドバイスをしてもらうと良いでしょう。

金属アレルギーを治す方法は?

花粉症同様、具体的な治療法はまだ無いと言われています。ただし、ある程度アレルギー症状を抑える事は可能なようです。

いつ金属アレルギーになるか分からない

金属アレルギーじゃない人は、何気なく金属を身につけているでしょう。しかし、今までアレルギーでは無かった人も急にアレルギーになってしまう可能性があるのです。
今はアレルギーじゃないからと言って、楽観視は出来ないのです。
大怪我や出産直後など、体質が変化した時は特に注意が必要になります。

このような症状のある方は一度ご相談ください。皮膚科でパッチテストをした後にアレルギーの無い金属の被せ物や詰め物に交換することをお勧めします。

金属に置き換わる最新の生体親和素材であるジルコニア(人工ダイアモンド)やレジン樹脂に置き換える方法が有効です。


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